衆院解散・都知事選。年末だというのにあわただしい風が吹いています。今年はいやな事件が多く、テレビニュースを見るたびに目を覆いたくなることが多かったです。人間不信になりそう。

そんな時は、優しい暖かな気持ちにさせてくれる本に慰めてもらいます。

一番に紹介したいのが「看護助手のナナちゃん」野村知紗さんの作品です。シンプルな絵の可愛い登場人物が、実は決して軽くないご病気をしょってます。そこに向けられるナナちゃん(作者)の視線の優しさ。暖かさ。笑いながら泣きながら読んでしまいます。

「老検死官シリ先生がゆく」作者のコリン・コッタリルさんはタイに住むイギリス人だそうですが、物語の舞台はラオス、そして主人公は72歳の村のお医者さん。厳しいラオスの政治情勢の中では、権力とは程遠いところにいたはずが、国でただ一人の検死官に命ぜられて・・・。仕事に必要な最小限の物資も不足する日常の中で、失われることのない豊かな人間性、シリ先生が大好きになってしまいました。

最後に「№1レディーズ探偵社本日開業」これはミス・ラモツエの事件簿1のタイトルです。マ・ラモツエはボツワナ最初の女探偵。お父さんの遺してくれた家畜を売った金を元手に、「持ち前の洞察力」で事件を解決していく、太った元気なバツ一の自立した女性です。一気に3巻まで読んでしまいました。途中からマ・ラモツエはミスでなくミセスになり、孤児の姉弟を養子にして家族持ちとなります。脇役も魅力的で、それぞれが物語の中で自信を得、成長していくのも楽しい。

恵まれているとは言い難い状況の中で、思いやりと優しさを持って、へこたれる事はあっても屈することなく、一生懸命誇り高く生きている人たち。心が凍えるとき、温めてくれる日だまりのように、これらの本に救われています。 ハートフル 清野